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萎縮(いしゅく)(骨格筋の萎縮):筋肉を構成する筋線維が徐々に消失するため筋力が弱くなり疲労しやすくなること。

胃ろうチューブ(Gチューブ):腹部に留置し、直接、流動食を胃に供給するチューブ。短時間の手術で留置できる。摂食の問題がある子どもに、必要な栄養や水分を供給する。

運動ニューロン:脳および脊髄に存在する大型の神経細胞(ニューロン)のこと。骨格筋線維を活性化して、筋収縮を引き起こす。


緩和ケア:命にかかわる疾病を有する患者さんのQOLの改善を目的とするタイプのケアアプローチ。患者さんの苦痛や不快感を起こす痛みやその他の症状を軽減するために行う。このアプローチは、患者さんの余命が短いということを意味するものではない。世界保健機関(WHO)は、小児における最善の緩和ケアは、家族を含む集学的ケアチームによって実現すると提言している。

気管切開:気管に開口部をつくる手術。気道の確保や肺からの分泌物の除去のために、通常は開口部にチューブ(気管切開チューブ)を留置する。

近位筋(きんいきん):身体の軸の中心(脊椎側)に位置する筋肉で、姿勢の制御など身体を支える役目をする筋肉。

筋電図検査(EMG):筋肉や、筋肉を活性化する神経が、安静時および運動中にどのように機能しているかを明らかにするための検査。

経鼻十二指腸チューブ:鼻から十二指腸および空腸に挿入する小型チューブで、介護の方による栄養サポートに使用される。

経鼻チューブ(NGチューブ):介護の方が栄養サポートや医薬品投与ができるように、鼻から胃に挿入するチューブ。


常染色体劣性遺伝性疾患(じょうせんしょくたいれっせいいでんせいしっかん):両親からそれぞれ1つずつ、変化のある遺伝子を受け継いだ子どもにのみ発症する疾患のことで、脊髄性筋萎縮症もこの疾患の1つ。両親ともに、変化を持った遺伝子を持っている場合にのみ発症の可能性のある疾患。

人工呼吸器:自力では十分に呼吸できない人の呼吸をサポートする装置。人工呼吸には、鼻または口マスクを用いる非侵襲的呼吸ケアと、気管内挿管を伴う侵襲的呼吸ケアがある。

侵襲的呼吸ケア:一般に人工呼吸器を気道に接続して行う侵襲的な呼吸サポートのこと。気管切開やカフ付き気管切開チューブが必要な場合がある。

咳介助装置(カフアシスト):鼻マスクまたはマウスピースを装着して、吸気および呼気の補助を行う器械。あらかじめ設定した圧力で肺に空気を送り込み、その後、あらかじめ設定した圧力で肺から空気を吸い出す。

脊髄性筋萎縮症(SMA)

Ⅰ型SMA(別名:ウエルドニッヒ・ホフマン病): I型は、最も重症なタイプのSMAであり、全体の60%を占める。多くの場合、生後6ヵ月以内に発症する。このタイプの患者さんは座ることができず、「nonsitters(ノンシッターズ)」とも呼ばれる。

Ⅱ型SMA(別名:デュボヴィッツ病):II型は、通常は生後7~18ヵ月に発症する。このタイプの患者さんは通常は介助なしで座ることができるが(「sitters(シッターズ」)、座位をとるために介助が必要な場合もある。しかし、一般に歩くことはできず車椅子が必要な場合がある。

Ⅲ型SMA(別名:クーゲルベルク・ウェランダー病):III型は、通常は生後18ヵ月以降3歳になるまでに発症・診断される。この患者さんは最初は歩行できるが(「walkers(ウォーカーズ)」)、成長に伴って運動機能が低下して最終的に車椅子の使用が必要になる場合がある。

Ⅳ 型SMA:このタイプのSMAは非常にまれである。成人期に軽度の運動障害が認められる。症状は早ければ18歳頃から現れるが、35歳以降に発症することも少なくない。



染色体(せんしょくたい):DNAと呼ばれる遺伝物質を含む構造体で、細胞の核内に存在する。核は細胞の司令塔であり、細胞の成長や成熟、細胞分裂、細胞死の指示を出す。DNA(デオキシリボ核酸)は、人間や、その他のほぼすべての生物に存在する遺伝物質である。

側弯症(そくわんしょう):脊椎が正常なまっすぐの垂直線からずれており、S字状に弯曲している状態。


中枢神経系(CNS):神経系の一部で、全身に命令を発して機能を調節する情報伝達システムの司令塔にあたる部分。脳や脊髄を含む。


二相性陽圧換気(BIPAP)装置:マスク(鼻または口)から2段階の陽圧気道内圧を供給する器械で、呼吸のサポートを行う。息を吸うときには、圧力を上昇させて吸気量を増やす。息を吐くときには、圧力を低下させることで、正常に近い呼吸パターンを可能にする。

認知:思考や経験、感覚によって、知識や理解を得ること(またはそのプロセス)。


非侵襲的呼吸ケア(NIV):一般に、気管内挿管(呼吸チューブ)や気管切開(気管チューブ)を必要としない呼吸サポート(二相性陽圧換気[BIPAP]など)のこと。短期的目標は、呼吸困難を減らし、呼吸筋の仕事量を減らし、酸素飽和度を高め、患者の快適性を高めることである。最終目標は、気管切開をせずに患者の呼吸機能をサポートすることにある。
N

Nonsitters(ノンシッターズ):自力で座ることのできない脊髄性筋萎縮症の子ども。
S

Sitters(シッターズ):介助なしで座ることはできるが、自力歩行はできない脊髄性筋萎縮症の子ども。

Spinal muscular atrophy with respiratory distress(SMARD)(スマード):SMARDはI型SMAの亜型です。SMARDの子どもは、呼吸筋が非常に弱いことから重度の呼吸困難を呈する。

Survival of motor neuron 1SMN1)遺伝子(サバイバル オブ モーターニューロン ワン イデンシ):SMN1遺伝子は、運動ニューロンと呼ばれる神経細胞を維持するのに重要な運動神経生存タンパク質(SMNタンパク質)を産生する。SMNタンパク質が存在しないと、運動ニューロンが徐々に消失し、筋肉が脳からの信号を受信できなくなる。その結果、一部の筋肉が正常に機能できなくなり、筋力低下や運動障害が起こる。

Survival of motor neuron 2SMN2)遺伝子(サバイバル オブ モーターニューロン ツー イデンシ):SMAの「バックアップ遺伝子」とも呼ばれる。さまざまなタイプのSMNタンパク質がSMN2遺伝子から産生されるが、完全なサイズと機能を有するのは1タイプのみである。
W

Walkers(ウォーカーズ):歩くことのできる脊髄性筋萎縮症の子ども。