Spinal muscular atrophy Caregiver

Dany S.さん

母親

 

SMAとともに生きる

娘のRubyが生まれたとき、私たちはみなさんと同じように、この世に誕生した娘にたくさんの夢を抱きました。これから娘は世界を体験し、愛するものを見つけ、いろいろなことを学んでゆくのだと思いました。ところが、SMAの診断が下されました。

子どもがSMAだという診断が下されてから、あらゆることが変わりました。まず私は、Rubyの将来について考えるのをやめようとしました。こう書くだけでもつらいです。自分の子どもの将来について考えないようにしていたなんて。正直なところ、将来のことが全くわからず、それがとても恐ろしいと感じていたんです。私が抱いていた、世界に出てたくさんのチャンスを自分のものにしてほしいというRubyへの夢は、不可能なんだと絶望したんです。でも今は、娘がどうすれば進むべき道を見つけることができるかについて考えるようになりました。

私は心から娘の一生をサポートしていくつもりですが、常に母親が一緒にいることを彼女は望むでしょうか?娘が、素晴らしいけれど足場の悪い古い都市や遺跡に行きたいと思ったらどうすればいいんでしょう?あきらめるしかないんでしょうか?もっと身近なことで言えば、娘が自分で開けることができないドアがあるときはどうでしょう?親切な人が助けてくれるでしょうか?助けてくれる人が周りにいるでしょうか?

RubyがSMAと診断されてから数か月間、私はこのようなことばかり考えていました。なぜ私が将来について前向きに考えられなかったか、ご想像いただけますよね。ところが、SMAと暮らす日々が始まって数か月後に、そんな私の考え方を180度変える出来事が起こったんです。ある講演会場で、SMAとともに素晴らしい生活を送っていると語るパネリストたちを見たんです。しかもそのパネリストの1人は、SMAのない人生を送る機会があったとしても、それを受け入れたくないと言ったんです!とても驚きました。私はRubyの将来における困難のことばかり考えていましたが、そのとき、それにはまったく根拠がないのかもしれないと気付いたのです。娘は、克服しなければならない壁にぶつかることがあるでしょうか?必ずあるでしょう。でも誰もが壁にぶつかりますよね?私たちみなに、必ずあることなんだって気が付いたんです。

その日から、外へ目を向け始めました。SMAとともに暮らしている他のご家族と連絡をとるようになりました。どのようにしてSMAと上手く生活しているのか聞きました。「上手くいかなかったら」と考えるのではなくて、Rubyの人生が最高のものになるよう「上手くいく」ように、と意図的に考え方を変えました。そして、子どもたちに大きな可能性を見出してくれる人と関わるようにしました。そうしていたら、ゆっくりとではありますが、将来がわからないことへの懸念や不安がなくなりました。

今は、「希望」だけを考えています。「希望」に基づいて選択や夢を決定しようとまた思えるようになって本当によかったです。そして、このような視点を子どもたちに示し続けることで、彼らが探求できる世界が広がるのだと思っています。

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