確定診断のためには、SMAの原因であるSMN1遺伝子の変化があるかどうかを確認する、分子遺伝学的血液検査を行わなければなりません。この検査は、SMN遺伝子欠失検査とも呼ばれ、SMN2遺伝子のコピー数の判定もできます。臨床的にSMAと診断されている人の約95~98%が、SMN1遺伝子の変化を有しています。この検査は、一部の医療機関または診断検査機関で実施されます。結果は数週間で得られますが、検査機関によって異なります。


SMAを疑われ、確定診断のために遺伝学的検査をご検討中の患者さんへ

SMAの確定診断のために、主治医の先生より遺伝学的検査を提案されている方々へ、大阪市立総合医療センターの岡崎伸先生から、SMAや遺伝学的検査を受ける意義について、動画で分かりやすくご説明いただきました。


Importance of Early Inspection



一般的な用語のリストはこちらでご覧いただけます。

医師が、SMA乳児を診て最初に気付く症状は、
フロッピー症状(だらりとしている状態)や
筋肉の緊張が弱まっている症状(筋緊張低下)です。

筋緊張低下はいくつかの遺伝的疾患に共通でみられるため、検査を行うことがあります。これは、SMAの検査であるとともに、筋強直性ジストロフィー(1型)やプラダーウィリ-症候群、アンジェルマン症候群、母性片親性ダイソミー14の検査でもあります。所要時間は数週間です。

診断までには、いくつかの検査が必要です。

SMAの症状は、症状がでる年齢も、その重症度もさまざまであるため、診断が遅れる可能性があります。最近の調査から、SMA症状を認識し診断をくだすためには、小児科医や専門医に何回も受診する必要があります。

受診すると、補助的な遺伝学的検査や筋電図検査、クレアチンキナーゼ(弱くなった筋肉から流出する酵素)濃度測定のための血液検査などの検査を受けることがあります。これらの検査だけではSMAの確定診断を行うことはできません。これらは他の筋疾患の可能性を否定するために行われます。

新生児スクリーニング
SMAに対する新生児スクリーニングはまだ実施されていません。診断までにかかる時間は非常に重要です。新生児スクリーニングによりSMAをより早く診断することが可能になることは、SMAのある子どもの予後の改善に役立ちます。