監修:社会福祉士 福島慎吾

障害の種類や程度に応じて障害福祉サービスを受けることができます。手帳がなくても利用できるサービスもあります。

身体障害者手帳

障害福祉制度を利用するための証明書です。早めに申請することをおすすめします

身体障害者福祉法で定められた障害の種類と程度に該当する人に交付される手帳です。SMAのある人には通常、肢体不自由(上肢・下肢・体幹の障害)による身体障害者手帳が交付されます。
障害の程度により1級から6級(1級が最重度)までの等級に分かれており、等級によって受けられるサービスが限定されるものもあります。
2~3歳未満の乳幼児は、手帳の取得に制限があることもあります。
申請には、申請書、診断書・意見書、写真などが必要です。
障害の程度が変わった場合には、等級変更の手続きができます。再認定の対象者とされているときには、その期日までに再申請の手続きをする必要があります。
手帳は都道府県、政令市、中核市から交付されますが、申請の窓口は、市町村(主として障害福祉部門)となります。

主なサービス

所得税・住民税・相続税などの障害者控除、相続税・贈与税の非課税、自動車税・自動車取得税・軽自動車税の減免

マル優制度(少額貯蓄非課税制度)の利用

高速・有料道路の通行料金の割引

駐車禁止除外指定票の交付

鉄道・バス・船舶・国内線航空運賃の割引、マイカーの燃料費助成、コミュニティーバスの無料乗車券の交付

タクシー料金の割引、タクシー券の支給

放送受信料の減免

水道料金・下水道料金の免除

携帯電話料金の割引

公営住宅への優先入居

無利子ないし低利子の資金貸付

入園料や駐車料金の減免

など

利用できるサービスは、自治体、施設等の運営主体によって異なります。お住まいの市町村の相談窓口(主として障害福祉部門)や各施設にお問い合わせください。

障害者総合支援法・児童福祉法による

障害福祉サービス・障害児通所支援

ヘルパー派遣や電動車いす・福祉用具の支給、デイサービスなどのサービスがあります

身体障害や障害者総合支援法の対象となる難病のある方は、障害福祉サービスによる介護給付費、訓練等給付費、補装具費の支給、地域生活支援事業などや障害児通所支援の対象となります。SMAは、障害者総合支援法の対象疾病の指定を受けています。

介護給付

ヘルパーの派遣やショートステイが利用できます。

介護給付は、障害による日常生活上、継続的に必要な介護支援です。介護給付費の支給を受けるためには、障害支援区分の認定が必要です。区分1〜6(区分6が最重度)の障害支援区分は、介護給付の必要度を表す6段階の区分で、本人の障害特性を踏まえた判定が行われるように80項目の調査を行い、市町村の審査会での総合的な判定を踏まえて市町村が認定します。
居宅介護、短期入所の利用を希望する18歳未満の方は、障害支援区分ではなく、5領域11項目の調査を市町村が行い、支給の要否と支給量の決定を行います。
障害福祉サービスを利用するときには、あわせてサービス等利用計画書の提出が必要です。お住まいの市町村の計画相談支援を行う事業所に作成を依頼することができます。

この制度の申請先は市町村です。お住まいの市町村の相談窓口(主として障害福祉部門)や障害者相談支援センター、各事業所にお問い合わせください。

障害児通所支援

療育の必要な方が対象です。身体障害者手帳がなくても利用できます

ご自宅や学校から施設に通ってサービスを受けるものです。未就学の方には児童発達支援、学校に通学中の方には放課後等デイサービスがあるほか、医療型児童発達支援や保育所等訪問支援があります。
5領域11項目の調査を市町村が行い、支給の要否と支給量の決定を行います。
障害児通所支援を利用するときには、あわせてサービス等利用計画書の提出が必要です。お住まいの市町村の障害児相談支援を行う事業所に作成を依頼することができます。

など

この制度の申請先は市町村です。お住まいの市町村の相談窓口(主として子ども・児童福祉・障害福祉部門)や児童発達支援センター、各事業所にお問い合わせください。

補装具費の支給

電動車いす、意思伝達装置などの支給制度です

補装具の購入や修理に要した費用について、基準価格に基づいて支給されます。次のような品目が対象となります。


座位保持装置、車いす、電動車いす、座位保持いす、起立保持具、歩行器、重度障害者用意思伝達装置

など

世帯に高額所得者(市町村民税の納税額が460,000円以上)がいると、補装具費の支給対象外となります。
障害特性や生活環境などから真にやむを得ないと認められるときには、基準価格の仕様や価格を超えるものも、特例補装具としての支給を受けることができます。
補装具の支給数は原則として1種類あたり1個ですが、状況を勘案してとくに必要と認められたときは2個支給することができるとされています。
電動車いすや車いすの耐用年数は6年とされていますが、子どもは身体の成長にともなって、必要に応じて新しい車いすの支給が認められます。

電動車いすについては、厚生労働省の通知に対象者が学齢児以上と書かれているため、低年齢の子どもたちへの電動車いすの支給を一律に認めないとする市町村も存在します。厚生労働省のQ&Aには「電動車いすに係る補装具費の支給は、‥‥身体障害児の身体の状況、年齢、学校教育、生活環境等の諸条件を考慮し、その是非を判断し、‥‥対象児童の年齢のみをもって一律に支給しないことを決定し、申請を却下することは適当でない」とされていることを覚えておきましょう。

この制度の申請先は市町村です。お住まいの市町村の相談窓口(主として障害福祉部門)や障害者相談支援センター、事業者にお問い合わせください。

介護給付、障害児通所支援、補装具費の支給の、自己負担金は次のように定められています。この上限額と、1割負担の金額のどちらか低い方が、その月の自己負担額となります。
事業者などへの支払いは、ひと月あたり負担の上限額の範囲で済みます。
利用者負担は、原則定率1割負担で、世帯の所得に応じて、以下の自己負担金月額が設定されています。

ただし、障害者本人又は世帯員のいずれかが一定所得以上の場合(本人又は世帯員のうち市町村民税所得割の最多納税者の納税額が46万円以上の場合)には補装具費の支給対象外とする。

生活保護への移行防止措置あり

18歳未満の方は住民基本台帳上の世帯収入、18歳以上の方は本人とその配偶者の所得をもとにひと月あたり負担の上限額が決まります。
障害福祉サービス、障害児通所支援、補装具の支給などの自己負担金は合算して、ひと月あたり負担の上限額を超えた額が申請によって払い戻されます。
低所得者への減免や同一世帯の自己負担額の合算など、非常に複雑な制度です。お住まいの市町村の相談窓口(主として障害福祉部門)にお問い合わせください。

地域生活支援事業

地域の特性や利用者の状況に柔軟に対応するため、市町村の創意工夫によって任意事業を行っているところもあります。

自己負担金の上限額の有無とその額などは市町村によって異なります。
この制度の申請先は市町村です。お住まいの市町村の相談窓口(主として障害福祉部門)や障害者相談支援センター、各事業所や事業者にお問い合わせください。

小児慢性特定疾病児童等自立支援事業

小児慢性特定疾病の方が対象です

相談支援、自立支援員による支援の必須事業のほか、療養生活支援事業、相互交流支援事業、就職支援事業、介護者支援事業、その他の自立支援事業が任意事業としてあります。
新しい制度として始まってから間もないため、とくに任意事業については未実施という自治体がほとんどです。


この制度の申請先は、都道府県、政令市、中核市です。お住まいの都道府県等の相談窓口(主として保健所)にお問い合わせください。事業を民間団体などに委託している自治体もあります。

小児慢性特定疾病の日常生活用具給付事業

小児慢性特定疾病の方を対象にした日常生活用具の給付を行います


福祉用具などの購入に要した費用について、基準価格に基づいて支給されます。次のような品目が対象となります。


便器、特殊マット、特殊寝台、歩行支援用具、入浴補助用具、特殊尿器、体位変換器、車いす、電気式たん吸引器、パルスオキシメーター、人工鼻

など

この制度の申請先は市町村です。この事業は未実施の自治体もかなりあります。お住まいの市町村の相談窓口(主として障害福祉部門)や障害者相談支援センター、事業者にお問い合わせください。

療養生活環境整備事業・難病特別対策推進事業

指定難病の方が対象です

指定難病の方が地域で安心して療養しながら暮らしを続けていくことができるように環境を整えるとともに、受け入れ医療機関の確保を図るものです。


など

申請先は都道府県です。お住まいの都道府県の相談窓口(主として保健所)や難病相談支援センターにお問い合わせください。

医療保険による訪問看護

ご自宅に看護師が訪問して療養生活のお世話や診療の補助を行います

訪問看護サービスには、医療保険の訪問看護、介護保険(原則65歳以上)の訪問看護、自費の訪問看護がありますが、ここでは医療保険の訪問看護を取り上げます。

主治医から訪問看護ステーションや医療機関などの訪問看護事業所へ訪問看護指示書を発行してもらうことで訪問看護を利用できます。
医療保険の決まりで、訪問看護の利用は週に1~3回まで、1回の利用時間数は30~90分の範囲となります。
SMAは厚生労働大臣が定める疾病に指定されていますので、特例として週4日以上、1回の訪問看護の時間は最大90分までの訪問看護を受けることができます。
人工呼吸器を使用している状態にある方、長時間の訪問看護を必要とする15歳未満の超重症児の方は、特例として1回の訪問看護の時間が90分を超える長時間看護を週1回まで(超重症児・準超重症児は週3回まで)受けることができます。
支給限度額はありませんので、医師に必要性を認められれば、利用回数、利用時間数の上限まで訪問看護を利用することができます。

自己負担金は、公的医療保険の自己負担分(原則3割)となりますが、公費負担医療や高額療養費制度の対象となります。

詳しくは、主治医または医療機関の医療ソーシャルワーカー、訪問看護ステーションにお問い合わせください。

在宅療養指導管理料による機器や物品の支給・貸与

在宅療養に必要な機器や物品が医療機関から提供されます

在宅療養指導管理料(在宅酸素療法指導管理料、在宅人工呼吸指導管理料、在宅気管切開患者指導管理料、在宅小児経管栄養法指導管理料など)が保険医療には定められています。
医師が、在宅療養において必要と認める医療材料(人工呼吸器やカフアシストなど)や、衛生材料(気管カニューレ、チューブ、脱脂綿など)は、この指導管理料で必要かつ充分な量が支給されることになっています。

詳しくは、主治医または医療機関の医療ソーシャルワーカーにお問い合わせください。

SPI-JPN-0134