2歳で発症して5歳でSMAと診断された例


監修:地方独立行政法人 大阪府立病院機構 大阪母子医療センター 小児神経科  木水 友一 先生

  • 最初の気づき→近くの小児科を受診

2歳のとき、滑り台の階段の登り方が、他の子どもたちと比べて著しく遅いことにお母様が気づかれ、小児科を受診されました。
  • 近くの小児科→整形外科→専門医がいる病院へ紹介

小児科から整形外科を紹介されました。X脚がみられたためリハビリテーションを続けていましたが、改善はみられませんでした。
走り方は競歩のような動きで、徒競走ではいつも大きく差が付き最下位になっていました。
地域の5歳時健診のときに、伯父が筋ジストロフィーであることを健診医に伝えたところ、筋疾患を疑われ専門医に紹介されました。
  • 専門医がいる病院を受診

下肢の筋力が低下していました。
腰を左右に揺する歩き方をしており、長い時間歩いたときなどに、揺れが大きくなる傾向がありました。
手や指に、細かな震えが見られました。 
以上の症状がみられたことから、SMAを疑われて遺伝学的検査を実施し、SMAと確定診断されました。
  • <腰を左右に揺する歩き方について(SMAに特徴的な歩き方)>
  • SMAの患者さんでは筋力が落ちていて太ももが上がらないため、代わりに腰を回して足を前に投げ出して歩こうとします。
    腕をあまり大きく動かさずに歩きます。
    疲れてくると揺れが大きくなります。
    揺れ方は、X脚、筋ジストロフィーといったほかの病気の場合とは異なります。
注意
このような歩き方は、Ⅲ型のSMA患者さんにみられますが、
このような歩き方があらわれないSMA患者さんもいらっしゃいます。
このような歩き方があらわれた方がすべてSMA患者さんではありません。
SMAはⅠ型~Ⅳ型に分けられています。病型についてはこちら

動画をご参照ください。

腰を左右に揺する歩き方の例

Patient Path

監修の先生からのアドバイス


症状があらわれ始めているにもかかわらず、SMAと診断されていない方がいらっしゃいます。
SMAが疑われるような動作や歩き方がみられたら、早めに病院を受診し、医師に相談することをご検討ください。

動画は患者さんご本人又はご家族の許可を得て掲載しています。




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